勉強の話  2018年5月15日|火曜日

教養堂の小学生コース⑧ 百人一首

 

 

教養堂の小学生国語プログラム

小学生の国語では授業時間が60分1コマの中で、国語の実力向上プログラムと国語の思考力プログラムの2本柱で構成しております。

実力向上プログラムでは、物語文、説明文の長文読解に強くなるような内容で、記述式もたくさんあり、かなり書かせる内容にもなっています。

思考力プログラムでは、2020年以降の教育改革を見すえて、いわゆるPISA型の学力に対応した内容になっています。

毎回の授業でこれらの内容の割合は微妙に変わりますが、おおむね並行して進んでいきます。

 

さらに、これらに加えて「読書」と「暗唱」が入ります。

いわゆるスキマ時間に五月雨式に行うプログラムです。

 

現在、5月に入って「暗唱」では百人一首の春と夏の歌を暗記しています。

百人一首といえば、カルタのイメージで冬がシーズンとなるのですが、いやいや春や夏の歌はその季節に暗唱するのがいいでしょう。

 

日本語の感性を磨く暗唱

以前、ある会議の集まりで「百人一首を覚えて何かいいことがあるのか」と私に尋ねた人がいました。その時はまともに説明する気にもなりませんでしたので、適当にスルーしました。感性の重みが分からず理屈でしか理解しようとしない人には永遠にわからないでしょう。

暗唱とか古典の読み込みというのは、理屈や理論ではなくてもっと人間の原始的な部分、つまり感性に直結するようなものなんですよね。

 

 

さらに日本語というものは奈良の万葉時代からとても柔軟性に富んだ言語で、その時代ごとの外来語をたくみに日本語化して取り入れていく宇宙のような器の大きな言葉なのです。伝統と革新の言葉を最も分かりやすい形で編纂したのが百人一首で、日本語学習の入り口としては一番ベストだと思います。

ちなみに英語の単語の語源を調べていくと、大体16世紀、シェークスピアまではたどれるのですが、その前はというと、もう別の言語になってしまいます。

16世紀というと日本では松尾芭蕉です。

すでに現代人から見ても今の日本語と違和感がなく読めます。

1000年前の平安時代でも多少の違いはあれ内容が分かるというのは奇跡ですね。

 

そういえば昨年の秋に名古屋で学習塾主催の「全国模擬授業大会」を見学しましたが、優勝されたのは「百人一首」をテーマに授業をされた先生でした。

内容は本当に素晴らしく、百人一首を深く研究されていて大変感銘を受けました。

 

カルタ大会を予定

教養堂ではちょっとした時間に百人一首を数首ずつ暗唱してもらいます。

いずれ冬休みに百人一首のカルタ大会を行うつもりです。

 

カルタは京都の「大石天狗堂」のカルタが一番です。

競技用カルタで使用される公式の札を作り続けている会社です。

反り返った札の乾いた音が芸術的に素晴らしいです。

 

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