勉強の話 2018年3月30日|金曜日
教養堂の小学生コース⑤ 漢字の字源探求学習
教養型授業の一例
教養堂では定期的に自由研究や探求学習を取り入れています。
小学生には自分の名前をより深く調べるプログラムを行っています。
苗字と名前の漢字を一字ずつ調べます。
調べる時は教養堂にある「国語辞典」「漢字字典」「漢和辞典」「古語辞典」「字源の辞典」などを使います。
平仮名の名前でも、音の持つ大和言葉の由来などから探ります。
漢字では、「甲骨文字」や「金文体」「篆書体」なども調べていきます。
子どもたちは必死になって絵文字のような謎の甲骨文字を写してくれます。
さらにその漢字から派生した熟語や周辺事項の内容もどんどん盛り込みます。
最終的には、フリップボードのようなものにまとめて第三者が見て分かるものにします。
プレゼンの練習にもなります。
名前は親からの最初の贈り物
ある子の名前の一字に「色」を表す漢字がありました。
その色を探るうちに平安時代の和服に使われた染料の名前に行き当たりました。
大和絵などに描かれている、十二単の染料にもしっかりその色がありました。
そんな事を知ったら一生使えるパーソナルカラーになりますよね。
またある子の名前は、その字の歴史的な変遷を追っていくうちに新しい意味を発見することができました。
それまでは単純に「指事文字」という記号から成り立った漢字だけで習うにすぎませんでしたが、調べていくと中国の古代王朝の動乱期にさらに意味が付け加えられたことが分かったのです。
子どもたちは難しい辞書でも夢中になって調べてくれました。
人の名前というのは生まれて最初に親からもらうプレゼントです。
その名前は一生使います。
その子の人生の中で何万回と書いたり読んだり、呼ばれたりする字なんですね。
そのような大切な字は、より深くより幅広く探求してもらいたいな、と思います。
教養堂の字源を探ってみる
サンプルで『教養堂』を調べてみました。
『教』の字ですが、「常用字解」という字書によれば、
左のつくりの上は、もともと「××」という絵で、屋根の「千木」を表しています。神社の屋根にある屋根の補強材のようなものです。
その下はもちろん「子」です。これで、建物に子どもたちが集まっていることを表します。
次に右の部首の「文」ですね。部首名は「のぶん」または「ぼくにょう」ですが、これはもともと「攴」という字から来ていました。
この「攴」という字は何と、「長老がムチで打って励ます」という意味があることが分かりました。
これを知った時はちょっとびっくりしました。
さすがに「ムチ」は使いませんが、自らの「無知」を恥じながらも反面教師として励ますという意味に解釈しておきましょう。
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