勉強の話 2018年11月21日|水曜日
教養堂のこだわり教材④ 『はにわ』
今回は『はにわ』ですね。
-よく間違えるんですよ。『土偶』と『はにわ』を。
どちらも「人形」ですね。
-縄文時代にお祈りの目的で作られたのではないか、というのが『土偶』です。一方、『はにわ』は「埴輪」と書くように、古墳時代に豪族や王のお墓の周りに並べて埋めた人形です。あの世でさびしくないようにと、埴輪を入れたらしいなど諸説あります。
歴史で習うと『土偶』と『はにわ』が混同してしまうのですね。
-よく質問を受けます。どちらも、地中から発掘されていますし。それで、まず『はにわ』を用意しました。
例によって、どこかのお土産物なんですよね♪
-何を言うんですか!これはちゃんとした素焼きの「はにわ」ですよ!東京国立博物館のミュージアムショップで買い求めた、正真正銘のお土産……いや、教材です。
……東京土産というわけですね。それにしてもユーモラスな顔立ちですね。
東京国立博物館蔵 「踊る人々」 (東京国立博物館HPから)
埼玉県 熊谷市野原字宮脇 野原古墳出土 6世紀
-ユーモラスな中にも、何か哀しみを感じます。ゆるキャラであり、フィギュアでもあります。それにしてもこのころより踊っていたんですね。感慨深いです。いつの時代も人は踊りたいんですよね。
埴輪がつくられた経緯は何ですか。
-「日本書紀」では、野見宿禰(のみのすくね)という人が、それまで殉死した人を埋める代わりに土で作った埴輪を埋めることにしたとされています。いずれにしても殉死という多大な犠牲を払うものから、埴輪という人形型にしたのは大きな変化です。野見宿禰の改革案は尊いです。
人形に託したわけですね。
-古来、人と人形という関係は興味深いです。近未来のアンドロイドと人間の関係もこの延長として見ることもできます。そのあたりのことが描かれているのが、押井守監督のアニメ―ション映画『イノセンス』です。
『はにわ』の塾生の反応はどうですか。
-これを何気なく教室に飾っておくと、「視線が合う」らしいです。気になる、という子がいました。
『はにわ』の視線を感じるわけですね。
-シンプルな造形でも、何かあるんです、この形には。ポーズも決まっていますよ。
大山古墳(仁徳天皇陵)でもいよいよ調査が入りましたね。
-はい。巨大な石敷きの古墳だったらしいですね。埴輪もあるそうです。大山古墳は教科書でも必ず記載されていますが、本格的な調査はこれからですね。
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