勉強の話 2018年5月28日|月曜日
教養堂のこだわり指導ポイント② 学問の出発点「概念化」とは?
「概念化」とは?
ある事柄を学習するうえで、その事柄を自分の言葉で分かりやすく他人にも伝えられれば、それはその人にとって「学んだ」と言えると思います。
私はそれを「概念化」とよんでいます。
辞書風に言いますと、
「個別性を問わず、概括的、抽象的にとらえている様子。」となります。
「年賀状は必要か。」というディベート問題があれば、そもそもあなたにとって「年賀状」とはどのようなものとして捉えているのか?という立場をはっきりさせること、これが「概念化」です。
「いただきます」とは何か、と外国人に英語で聞かれた場合、これに答えるためには「いただきます」を概念化していないと説明できません。
これは必ずしも「英語力」の問題ではないはずです。
ですから教養堂の小学生コースは国語を重視するのはこのためです。
抽象化だけでは机上の理論に偏るので、概括的な視点も必要です。
歴史であれば「絶対王政」「専制君主」「独裁」これらの言葉を概念化してとらえれば、学力がついたと言えるでしょう。
公民であれば「国会」「内閣」「裁判所」の三権の中で、一番説明しづらいのが「内閣」ですが、この「内閣」の持つ働き、意味を概念化するのが授業者の私の役目となります。
概念化すると、自分で分かっているだけではだめで、他者に伝える、という視点も入り理解が深まります。
小論文でも使える概念化
議論でも、意見が異なる二者で、その論点となる言葉の概念がそれぞれ違うために不毛な論争になってしまうこともあります。
まずは論点である事象をそれぞれどう捉えているのかをお互い確認するところから始めると良いでしょう。
私は小論文でも、「概念化」について文章化できるように指導します。
あることを論じる時、自分がそれについてどういう風にとらえているかを文として書くことは、論じるうえでのエチケットだと思います。
そういう一文があれば小論文としても引き締まるのです。
そして、議論も進めやすいのです。
あなたがそうとらえているものは根本的に違うのでは、という問題提起もしやすくなり、議論の歯車が合うのです。
この「概念化」、実は無意識にできている人もいます。
その人がこれまで触れてきた文章なり言説から、無意識に法則化して思考の型としてすでに出来上がっている人です。
読書が良いのは、こうした思考の型が自然と身につくからです。
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