こんな話  2024年10月22日|火曜日

小4国語「ごんぎつね」愛知県半田市 新美南吉記念館を訪ねて

ごん、お前だったのか、いつも、くりをくれたのは。

「ごんぎつね」 新美南吉 著

 

新見南吉 作の「ごんぎつね」は昭和40年代からずっと小学4年生の国語教科書に掲載されている不朽の名作です。

作中の季節は、秋。

「クリ」「彼岸花」と秋にぴったりなお話です。

 

愛知県半田市の新美南吉記念館を訪れました。

新美南吉 1913-1943

愛知県 半田市 生まれ

 

児童文学では、宮澤賢治に次ぐおなじみの作家です。

賢治同様、南吉も年若くなくなりました。

享年29歳。

 

結核による若すぎた死でした。

結核による早世の近代作家は多く、正岡子規、石川啄木、樋口一葉、梶井基次郎、堀辰雄、中原中也、そして新美南吉。

宮澤賢治同様、没後に評価された作家の一人で、生前に出版された本は「おぢいさんのランプ」1冊のみ。

南吉は賢治を尊敬しており、「天才」と評していたそうです。

 

同じ児童文学者で境遇も似ています。

一般企業に勤めた経験や教職として勤務した経験もありました。

生前ではほとんど正当な評価を得ず、病死した後、後世に評価を高めた所も似ています。

 

立派な記念館でした。

豊富な資料や工夫された展示、飽きさせない仕組み、子どもたちにも楽しめる空間です。

 

少し足をのばせば、矢勝川の土手や権現山までハイキングも楽しめます。

一番良い季節がお彼岸過ぎの9月下旬。

彼岸花が楽しめます。

「ごんぎつね」の設定がちょうど彼岸花が咲き誇こる秋にちなんでいます。

記念館のパンフレットから

記念館近くの矢勝川の彼岸花満開の風景

 

「ごんぎつね」冒頭に出てくる「六地蔵」と「ごん」。

記念館の庭園や館内には所狭しとキツネのオブジェが見られます。

 「ごんぎつね」のストーリーをジオラマで再現。

作中にでてくる「木魚」や「びく」「かみしも」「火縄銃」などの実物展示もあります。

 

「兵十」のモデルとなった人の紹介。

 

そして新美南吉の人物紹介も充実しています。

貴重な雑誌「赤い鳥」での初掲載の「ごんぎつね」と、直筆原稿。

 

生前唯一の刊行本「おぢいさんのランプ」

装丁・挿絵はなんと!

棟方志功。

東京外国語学校に入学。

東京の下宿の3畳間の様子。

 

記念館を出て北に向かうとすぐに「権現山」が見えます。

実はこの権現山が「ごん」がいたとされる山らしいのです。

「権現山」だから「ごん」なのかしら。

この標識、ほしい……。

お土産として売り出していただけないかしら。

 

実はここは半田市ではなくぎりぎり知多郡阿久比(あぐい)町になります。

いずれにしても、中部国際空港(セントレア)からほど近いです。

さて、「ごん」に会えるのでしょうか?

ここから歩いて5分ほどで山に登れます。

登った先は神社です。

実はここには今でもキツネが棲んでいるらしいというのが調査の結果確かめられています。

「ごん」のモデルのキツネの末裔がまだいるらしいのです。

次に生家を訪ねました。

当時のままを復元しました。

場所は同じところです。

生家は畳屋や下駄屋をしていました。

家の前にある常夜灯。

当時のまま残されています。

新美南吉の墓。

近くには「六地蔵」のモデルになったお地蔵様も集められています。

最後の記念館のミュージアムショップで「ごん」のぬいぐるみを買いました。

教養堂の教室に飾っておきます。

他にもキツネのクッキーとかカフェも併設されていました。

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