勉強の話 2019年1月23日|水曜日
小2 ある日の国語授業
Can you picture what will be?
So limitless and free友よ、君は思い描き出せるだろうか?
限りなく自由であることを〟
「The End」
The Doors 1967年 より
「先生!」
元気よく私を呼びます。
国語の読み取り文章問題を解いていた小学校低学年の男の子です。
-はい。どうしましたか?
「さ・ん・ぱ・つ……って、何ですか?」
ここで高学年なら、いつも通り国語辞書で調べます。
低学年の子にも、辞書は引かせるのですが、時にはイメージさせることも必要です。
-聞いたことないかい?
「はい。」
-なんだろうね。
「たべもの……?」
-ほほう。なるほどね。うまいか?
「ん~、まずいかな。」
-どんな味がする? 甘いとか、辛いとか。
「塩っぱい……です。」
-塩味がするんだ。それで、焼いてあるのかな、蒸してあるのかな、煮てあるのかな。
「ナマモノぽい。」
-ナマで塩味がするんだ。
「ドロ~んとした感じ。……魚かな?」
-魚なんだ。
「白っぽい。」
–「さんぱつ」とは、マズくて塩味がしてナマモノのドロ~ンとした白い魚、なんだね?
「そんな感じです。」
-それでは、辞書で「さんぱつ」を引きましょう。
【散髪】
伸びたかみの毛を切って、形を整えること。
調べたあと、私とその子の間で、微妙な空気が流れました。
しかし、この数分の想像は、かけがえのないものです。
まさに、マズい白いナゾの魚、「サンパツ」は、彼の頭の中で確かに存在したのです。
定義される側の人ではなく、自ら定義する側の人に、塾生を導きたいと思っています。
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