勉強の話  2017年11月25日|土曜日

作文 自分だけの作文がすらすら書ける メソッド作文指導

「夢」について800字で書きなさい。

 

という問いのもと、作文または小論文を書き出すとしたら……。

 

「私の夢は、将来○○になることです。なぜなら…。」となると、将来の仕事、やってみたいことなどの願望が続きます。個人的な話を他人に読ませるための工夫をほどこした作文を目指します。

 

「若者だから夢を持たなくてはいけない、と言われると私は反発したくなる。」

このような出だしで始まると、筆者が「夢」という社会の一般的な概念に何かしら異議申し立てをしたいのだな、ということが分かります。

 

前者は、小学生から中学生の作文課題として、後者は高校入試から小論文レベルまでと分けることもできるでしょう。

 

「夢には二種類ある。睡眠中にあたかも現実のように感じるものと、将来実現させたい願望と……。」

これは言葉の解釈にクローズアップさせた出だしです。

 

このように同じテーマでも構造的な違いがあり、筆者の思考の幅でいかようにも書くことができるわけです。

そして問題に対してどのレベルで問いがなされているのかの判断も重要です。

 

私が作文、小論文指導をする時は、問いに対する発信者側の情報量や概念の定義、論点などを徹底的に詰める作業を取ります。

 

なぜかといいますと、作文・小論文には、その子しか書けないものを書けるようにしなくては、意味がないのです。

発信者の情報量をたくさん満たせば、自ずから書きたくなってきます。

自分の好きな趣味やはまっていることは人に伝えたくなるのと同じです。

 

例えば演技をする場合に、演じる時にどのような表現をすればいいのか、という事を考えるのではなく、この役はどういう人なのか、どのような感情を持っていて、どのようなものの考え方をするのか、などの演技する上で直接関係のないような周辺情報や内面について徹底的に考察するのです。

すると、架空の人物がその演技者に自然と乗り移ったかのようになり、内面からわき起こる感情や動作が自然と表れる演技が可能になるという訳です。

ロシアのスタニスラフスキーが提唱したリアリズム演劇論をもとに、アメリカでリー・ストラスバーグなどが始めた演技法です。

 

これを指導に取り入れるのですが、かなりの準備と情報量や時間が必要になります。しかし、この練習を数パターン繰り返すと、驚くほど説得力のある文章が仕上がります。

なぜなら作文も小論文も自分の書き方をつかめば構造化できるからです。

ミュージシャンに例えると自分のタイム感を持つと言えます。

これを持っているミュージシャンはどんな曲を作っても、どの曲をカバーしても、どこまで行ってもその人のオリジナリティが表現されます。

 

受験生には特訓会などでワークショップの手法を取り入れることで、相乗効果が上がり活発な授業になります。

私はこのような指導法を、有名な演劇論から拝借して、「メソッド作文指導」と呼んでいます。

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