勉強の話  2019年6月10日|月曜日

中1の壁②「10月の理科」は真の算数力が問われる。

中1の壁シリーズ

今回は、理科について。

 

塾の「冬期講習」から入塾される方で、多い理由のトップ3が以下だと私は感じています。

●数学が急に分からなくなりました。

●理科が急に分からなくなりました。

●英語が苦手です。

 

冬休みは年末年始をはさみますので非常に短いです。

この期間に、2学期に習った膨大な量をすべて復習することは、時間的に足りません。

できれば、早目に手を打つのが得策です。

 

そこで、こうならないために、2学期に入る前の夏休みにできる下準備をご紹介します。

 

中1の1学期までは、理科のうち「植物の生活と種類」と呼ばれる単元をずっと行います。

植物の構造や実験、植物の分類など「植物」全般を習います。

この単元は、中学理科の中では一番勉強しやすい単元です。

語句や知識を覚えれば、テストでは得点しやすい単元なのです。

はっきり言って、ものすごくのんびり進みます。

 

しかし秋以降、2学期に入ると、この「理科」は、急に豹変します。

まるで、体験入部の頃はやさしかった先輩が、正式入部したとたんに恐くなるような感じです。

進み方がますます速くなり、あれよあれよという間に、単元が進んで行きます。

2学期に進む単元が、以下の2単元です。

 

①科学分野である「物質」の単元

②物理分野である「光」・「音」・「力と圧力」

 

この2つの単元によって、「急に分からなくなっちゃった」という感覚になる子が増えます。

これらの単元には、小学5年6年で習った、「割合」「百分率」の計算が再び登場するのです。

本格的な「割合」「百分率」の計算問題が、この理科の単元でガンガン出てきます。

 

以下は、中1の子が使用している理科の教科書(大日本図書)の、小学算数の応用が使われているページの画像です。

 

 

小学生の間に、「割合」「百分率」「図形」の概念と方法、応用レベルの問題をしっかり身についた子であれば、この単元はそんなに問題ではありません。

私の感覚では、そういう子は公立の小学校のクラスで15%未満くらいです。

ほぼすべての子には、中学生になった時点で、再確認が必要だと思います。

 

ちなみに、小学生の算数は、計算だけをできるようになっても意味がありません。

重要なのは、このような「割合」「速さ」「図形」などの応用問題に対応できる「数量感覚」なのです。

この基礎力があってはじめて、中学高校への勉強の基礎が仕上がるのです。

 

具体的に見ていきましょう。

 

➊「物質」のところでは、

「物質の密度」の計算……「割合」の応用

「水溶液の溶解度」……「グラフ」の応用

「水溶液の密度」……「百分率」の応用

 

❷「光」・「音」・「力と圧力」のところでは、

・「光」……「角の大きさ」

「音」の速さの計算……「速さ」の応用

「力と圧力」……「グラフ」「割合」の応用

 

まさに小5小6の算数のオンパレードです。

こちらは、中学1年生の理科の副教材のあるページです。

小学算数の復習コーナーがわざわざあります。

 

 

対策方法 「魔の2学期」に入る前に、夏休みに小学算数をもう一度。

小学算数の知識が忘れかけている状態で入ると、対処療法になり、後手に回ります。

そこで、夏休みにもう一度、「割合」「百分率」「速さ」についての復習をしておくと良いでしょう。

単なる公式の暗記ではなく、根本からの理解が必要になります。

 

ですから、勉強面での「中1の壁」の、理科の所は、やはり「10月」が鬼門になります。

その対策は、夏休みの復習と確認にあります。

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