勉強の話 2019年6月7日|金曜日
中1の壁①「6月の数学」に全力でのぞむべし。
小学校から中学校に上がった時に、環境の変化について行けず、学校が楽しくなくなってしまい、心身の不調に陥ってしまうことを「中1ギャップ」とか「中1の壁」と言われます。
ここでは、勉強面などの「中1ギャップ」とか「中1の壁」ついて触れます。
中1で要注意は、この6月と10月にあり。
6月は数学にあり、10月は英語と理科にあり。
まずは6月の数学。
どこの中学校でも、6月末頃に1学期期末テストがあります。
特に今年は中間テストがなかった学校も多く、中1の子にとっては、中学入学はじめての定期テスト。
そして、期末テストですから、英数国理社の5教科に加え、実技教科もテストに加わります。
試験範囲も長くなり、なんの準備もしてなければ、どうテストにそなえて良いのか、見当もつかないことでしょう。
さらに、部活動でも、中3を中心に最後の大会目指して、練習が激しくなる時期です。
おまけに、6月といってもこの暑さ。
とくに8月や9月と違い、6月は初夏ですから、体も暑さにはなれていませんので、体感的にはよりしんどく感じることでしょう。
このようなことで中1の子にとっては、6月は精神的にも肉体的にも一番きつい時期なのです。
6月の数学こそ、中1のかなめ。
さて、中1の数学は6月頃から気をつけなくては行けません。
数学がこれまでの「正負の数」(プラスとマイナスの計算)が終わり、ようやく「文字式」に入る頃です。
「正負の数」で、プラスマイナスの計算をクリアした子は、「中学の数学って、意外と楽じゃん」と思ってしまいがちですが、ところがどっこい、ここから本当の中学数学が始まるのです。
数学の順番としては、
「文字式」
「一次方程式」
「不等式」
「比例・反比例」
と続き、12月までの約半年間、えんえんと「文字」を使った代数の計算と文章問題が続くことになります。
よく「一次方程式」の文章題で分からなくなる子が多いのですが、実は敵は「方程式」ではありません。
その前の「文字式」の所が一番の要です。
この「文字式」の所は実は、例年、夏休みをはさんで、「なんとなく」進んでいきます。
ここでさらー、となめるだけのような勉強をしておくと、秋以降どこかのタイミングで、「数学がわからなくなった!」とあわてることになります。
「文字式」をさらーっと終わらすな!
「文字式」のところでは、その後の「方程式」の文章問題につながるような文字に置き換えるという抽象化の概念が真っ先に示されます。
しかし、教科書の問題だけでは、全く演習量が足りません。
しっかりした教材や問題集で、これでもか、というくらい「文字式」の所で、文字の数式に慣れておけば、その後の「方程式」や「関数」はスムーズに行くことができます。
代数の思考法を完全に習得すべし
教養堂で使っている数学教材は、この観点から、応用レベルまで含んだすごく「くどい」問題集を採用して、練習しています。
一度ご覧いただければ分かりますが、ありとあらゆる問題が入っています。
とくに日本語の文章から、文字式に直す練習をあらゆるパターンを使って慣れることが本当に大切です。
数量・速さ・分配・濃度・百分率・図形公式・単位変換・時間換算など小学校で習ったすべての文章題を、文字式化する練習を徹底的にしておくのです。
ここを攻略すれば、もう峠を越えたのも同然。
数学の代数の思考法が身についていれば、ここから半年間、十分対応できるのです。
いえ、半年間だけでなく、その後の数学が得意になるか不得意になるかの分かれ道でもあります。
中2では、
「式の計算」
「連立方程式」
「一次関数」
中3では、
「展開と因数分解」
「2次方程式」
「2次関数」
と、それぞれの応用問題で文字式の基本がついて回ります。
次回は、「10月の理科、魔の2学期」について、ご説明します。
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