勉強の話 2019年1月23日|水曜日
中2 ある日の数学授業
中2の数学は秋から、ずっと図形を行っています。
ようやく「等積変形」を終え、長い長い幾何の季節が終わりを迎えようとしています。
ギリシャの数学者ユークリッド(紀元前3世紀頃)は、著書「原論」の平行線公準でこう定義しています。
「平行線とは、同一の平面上にあって、両方向に限りなく延長しても、いずれの方向においても互いに交わらない直線である。」
図形が終わった中2に問いました。
地球上で平行線はどんなに延長しても、交わることはないだろうか。
みんな、交わらないと断言します。
もちろん、交わります。
これは、中2を待つまでもなく、入学早々の中学1年生ですでに習っていることなのです。
地理の初め、地球儀のところ。
赤道に垂直に引いた線を経線と言います。
地球上の経線はお互い赤道に対して垂直ですから、平行の関係をとります。
しかしこの経線は北上、もしくは南下すると、ある1点に収束します。
北極点と南極点です。
つまり平行線はやがて交わることもあるわけです。
ユークリッド幾何学においては、「同一平面上において」という前提条件があります。
しかしこの前提を外すと、地球上は球面なので平行線は交わるわけです。
この2000年来のユークリッド幾何学の枠組みを超えた幾何学を、非ユークリッド幾何学と言います。
この革命的な幾何学を創始した一人が、ロシア人数学者、ニコライ・ロバチェフスキー(1792-1856)でした。
ここからリーマン幾何学、位相幾何学という新たな数学が発展していったのです。
私は今の子どもたちには、このような位相の違う発想や思考法を養っておくことが必要だと考えています。
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