本の紹介 2023年3月15日|水曜日
『老子』
第七十一章
知不知上
不知知病
知りて知らずとするは上なり。
知らずして知るとするは病なり。
知っていても知らないと思うのが最上である。
知らないのに知っていると思うのは欠点である。
喧噪から離れて内省しようと思う時、『老子』を読むと心が満たされる感じがします。
教養堂のほんの紹介、今回はこちら。
『老子』
著者 老子とその弟子たち
初版 紀元前5世紀頃 中国 春秋時代
老子
道教の始祖
紀元前571-紀元前471 ※諸説あり
周王朝の元役人からの後に隠遁 ※諸説あり
孔子・孫子と同時代人。
第八章
上善若水
水善利萬物而不爭 處衆人之所惡
上善は水のごとし
水は善く万物を利して争わず、衆人の悪む所に処る、ゆえに道に畿し。
最上の善なるあり方は水のようなものだ。
水はあらゆるものに恵みを与えながら、争うことがなく、誰もがみな厭だと思う低い所に落ち着く。
第七十八章
天下莫柔弱於水
而攻堅強者 莫之能勝 以其無以易之
弱之勝強 柔之勝剛 天下莫不知 莫能行
天下に水より柔弱なるはなし。
しかも堅強を攻むる者 これによく勝るなきは そのもってこれを易うるなきをもってなり。
弱の強に勝ち、柔の剛に勝つは、天下、知らざるなくして、よく行うなし。
この世の中に水よりも柔らかでしなやかなものはない。
しかし堅くて強いものを攻めるには水に勝るものはない。
水本来の性質を変えるものなどないからである。
弱いものが強いものに勝ち、柔らかいものがかたいものに勝つ。
そのことは世の中のだれもが知っているが、行えるものはいない。
水に関する記述も多く、普遍的な自然界のものに例えて物事の神髄を教えてくれます。
無為自然
大器晩成
和光同塵
柔よく剛を制す
千里の行も足下から始まる
足るを知るの足るは 常に足る
格言の宝庫。
私が学生時代から愛読した中国古典のひとつです。
ですから教養堂の指導理念の根底にこの老子の思想も入っています。
古典を紐解くと、その時に自分にほしい言葉が必ず見つかります。
大概のものは遥か昔の偉人によってその真髄は語られているかのようです。
古典に勝るものはなし。
「迷ったら墓参り」とは、よく言ったものです。
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