本の紹介 2025年2月1日|土曜日
『成瀬は天下を取りにいく』高校入試にも出題
『成瀬は天下を取りにいく』
著者 宮島未奈
発行 新潮社
初版 2023年3月17日
先日、私立高校の入試があり、受験した塾生たちがある高校の問題用紙を持って来てくれました。
仕事柄、国語の問題では真っ先に出典と著者を確認してしまいます。
その高校の国語問題では小説文の出題がこちらの『成瀬は天下を取りにいく』でした。
出題されたのは、かるた大会の場面でした。
これは、入試問題といえども読むのが楽しかっただろうなと思いました。
案の定、本好きな塾生の子がもっと読んでいたかった、などと話していました。
主人公 成瀬の行動をさまざまな視点からオムニバス形式で描いた作品。
非常に読みやすいので、本を読む習慣がない人にもお勧めします。
優れた本や音楽には作者特有のタイム感というものが作家の個性として出ると思います。
音楽なら、特に優れたアルバムにはどの曲のどこを取っても、アーティスト特有のタイム感、それはリズムでも良いですし音像でも良いですが、その世界観に浸れます。
本なら、文体や描写など、どこを読んでもその作家のリズムが心地よく感じられるものです。
読者がその背景を想像してしまうような、絶妙な隙間が本書には用意されており、自然と成瀬たちが住む「大津市」に迷い込んでしまうような感覚になります。
読者が聖地巡りとして大津市を訪れて、それが町おこしになっていることもうなずけます。
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