本の紹介 2025年2月8日|土曜日
『弱者の戦略』自然界の生存戦略
『弱者の戦略』
著者 稲垣栄洋
発行 新潮選書
初版 2014年6月25日
おすすめ学年:中1以上
入試問題でもひっぱりだこの本書。
今年も多くの学校で出題されることでしょう。
入試問題で出題されると問題集にも採用されます。
著者の作品は他にもたくさんあります。
中学1年生の国語教科書(光村図書)の説明文の単元
『ダイコンは大きな根?』の著者でもあります。
TV番組『情熱大陸』に芸人の小島よしおさんが、座右の書としても紹介されたことがありました。
一発芸として世に出た小島さんが、その後迷走した時に本書と出会ったそうです。
たしかに彼の今の売り出し方は、例えば郊外のショッピングモールや地方の催し物での出演など、表現の場を求めてニッチな案件でも出向くスタイルです。
しかも低年齢層へのアプローチも万全で、帯番組などに出演することを目的とした芸人とは一線を画します。
生物界の中の弱者と言われる生き物の生存戦略が紹介されいます。
動植物たちの飽くなき生存の戦いがドラマのようで面白いです。
「弱者」と銘打っていますが、「弱者」の生存戦略はしたたかです。
鳥の繁殖の戦略では、弱者が取りうる場合の話が面白かったです。
卵を産んでから雛がかえるまでにタイムラグが生じますが、弱者の場合はとにかくスピード重視。
そして予測不可能な環境であればあるほど、キーワードは「多様性」と「スピード重視」とのことです。
これは経済や政治にもそのままトレースできそうな戦略です。
現下の予測不可能な国際情勢では、日本は圧倒的に弱者の戦略があてはまります。
示唆に富んだ生物の生存戦略。
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