本の紹介 2018年2月5日|月曜日
『図鑑』~教養堂の棚からひとつかみ
教養堂のほんの紹介、今回はこちら。
今回は「図鑑シリーズ」です。図鑑はどこの出版社も20巻近くありますので「棚からひとつかみ」できないくらいの量と重さです。
ひとつかみできるのはジャイアント馬場さんくらいですね。
名古屋、栄の丸善に行って実際に店員さんに売れている図鑑のことを伺いました。
「そうですね。だいたい本棚の手に取りやすい高さの棚にある図鑑シリーズから売れていきますね。」
…という超現実的な事情が聞けました。
まあ、実際そうですよね。
たしかに甲乙つけがたいです。
教養堂がまずそろえた「図鑑シリーズ」は?
図鑑は大小さまざまなものがありますが、ここでは代表的な図鑑を3つ取り上げてみます。
小学館の図鑑NEO
緻密な写真や標本の絵がすごくきれいです。
まさに図鑑という名にふさわしいです。
調べものとして優れています。芦田愛菜さんが愛読していたことでも知られています。
ドラえもんが登場するDVDがついている巻もあり、小さな子でも楽しんで見ることができます。
逆にここでのドラえもん出演は働かせすぎかな。
NEOには様々なシリーズ、関連グッズがあります。
講談社の動く図鑑MOVE
イラストなどがとても迫力があります。
躍動感があり引き込まれます。
DVDは全巻にNHKの映像がついていて、教育用としてもしっかり作られています。
DVDと併用して読み込むスタイルもいいですね。
学研の図鑑LIVE
実物大の写真があり迫力があります。
見せ方にも工夫があり、大人用としても十分です。
スマホをかざすと3Dで飛び出す写真や、イギリスBBC制作のDVDがついています。
このBBCの映像が、「シズル感」満載です。
スローモーションでじわじわ見せてくれたり、とにかく粘着性の高い映像です。
この3社の図鑑はゆくゆくはすべて教養堂でそろえたいのですが、まずは1社選びました。
教養堂が選んだのは、
『学研の図鑑LIVE』シリーズです。
歯ぐきまで見えるトラの口の中とか、実物大の写真を見開きでどーんと見せてくれます。
BBCのDVDは、エンドレスで校舎で流しておきたいくらいです。
とにかく、対象にぐっと迫る見せ方がすばらしいです。
現在、全16巻。校舎の本棚に並べておきます。
「図鑑」と「ネット検索」どっち?
同じ調べる、見る、ということで言えば、「ネット」でポンと調べるのは気軽です。図もいろいろあります。
もちろん「ネット」の情報は玉石混交。
「図鑑」の場合
「図鑑」のおおもとの「百科事典」はラテン語で「encyclopaedia」エンサイクロペディアと言います。
ここに、「cyclo」という語がありますね。サイクルです。円環状という意味があります。話し手の周りに聞き手が集まっているイメージです。
または、ある特定の一時代に編集された「百科事典」はその時代の世界の事象がつながって円環状に載っているというイメージにもなります。
ですから、書物の百科事典は、たとえ古くなっても、後世の人が調べれば、
「なるほど、この時代の人は、このことをこうとらえていたんだ。」
ということも分かってくるわけです。
出版年と執筆者が確認できれば、ある時代を象徴する世界観を見せてくれるのです。
「ネット検索」の場合
それに対して、「ウィキペディア」はたしかに便利で、ある一定の事象を調べるには十分すぎるほどの情報が載っています。
例えば、ある事柄を調べて、さらにその関連事項をクリックしてどんどん連係して調べていくというのにこれほど便利なものはありません。
wiki はハワイ語で「速い」というwikiwikiが語源です。
ということもすぐWikiで知ることができます。
ただし、それらが書かれた時代はばらばらで、執筆者の背景などが分からないため学術的には不完全と言えます。
百科事典・図鑑は球体のものを輪切りにした断面図として見せてくれる感じがしますが、Wikiの場合はそのままの球体を中心から丸ごとランダムに内側から見せてくれる感じがします。
それだけに調べる側もある程度の距離感が必要です。
現状で言うと、図鑑や百科事典は明確な編集意図があり責任の所在があり、後世にも史料価値が残るのに対して、Wikiなどのネット情報には責任の所在があいまいですが、現代の周辺知識を大まかに把握するには手っ取り早いということです。
教養堂ではこのようなテーマを小論文の授業で取り上げて、それぞれの違いなどをディベート形式で論じ合うことも予定しています。
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