本の紹介 2018年9月18日|火曜日
『街道をゆく43巻 濃尾参州記』~司馬遼太郎記念館をゆく~
一年ぶりに大阪へ行ってきました。
前回は、ちょうど昨年の9月頃。
まだ教養堂のできる前で、連日、教養堂の構想を練り上げる日々でした。
塾の原点のエキスをもらいに幕末の私塾の代表格である大阪の「適塾」を見学しました。
今回は、国語の授業研修会がありましたので、その帰りに初めて訪問したのが東大阪市小阪の「司馬遼太郎記念館」。
いつかは行ってみたいと思っていた場所です。
シバリョウの作品では、「竜馬がゆく」「花神」「坂の上の雲」「新選組血風録」「世に棲む日日」「燃えよ剣」「峠」「街道をゆく」、数え上げたらキリがありませんが、夢中で読みました。
死ぬまでにすべての作品を読むことができるやら。
松本清張と司馬遼太郎は、私にとって生涯をかけて読みつくしたい作家なのです。
閑静な住宅街に閑にたたずむ記念館。
雑木林の庭をくぐると、作家の邸宅があり、そこを抜けると、コンクリートの打ちっ放しの静謐な記念館がそっと建っておりました。
さきほど通った邸宅の中は窓越しに見られるようになっていて、司馬遼太郎生前のまま保存されているとのことでした。
最後の遺作は、未完のままで終わった「街道をゆく」シリーズ43巻の「濃尾参州記」。
教養堂のほんの紹介、今回はこちら。
『街道をゆく 四十三』 司馬遼太郎 著 朝日新聞社
教養堂がある愛知県江南市を含むここ尾張地方や美濃地方のことが、司馬遼太郎の目を通して深く語られるはずでしたが、絶筆のため未完に終わってしまいました。
この地方のことをもっと読んでみたかったですね。今でも初版本を大切に持っています。実に惜しい。残念です。
信長、秀吉、家康は当然のこととして、例えば、戦国時代、三英傑に仕え立身出世した堀尾金助や、幕末、井上聞多を救った美濃浪人の所郁太郎など、取り上げてほしかった所はたくさんありました。
旅行へ行くときは「街道をゆく」シリーズを読んでその土地の予習をしてから行くようにしています。
その土地についての歴史の記憶が時空を超えて語られます。
私も社会を教える時は、脱線することもあるのですが、どうもこの本からの影響があると思っています。
脱線と言っても、イメージを広げるためには必要なのですけれども。
「余談だが…」と横道にそれる時の司馬遼太郎の筆にはいつもわくわくされます。
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