塾の日記  2023年3月27日|月曜日

「急速に進むデジタル学習に高まる不安」

教養堂の気になる記事から

今回はデジタル学習について、こんな特集記事から。

 

東京新聞 3月27日 記事 「鉛筆で文字が書けない、考えずに答えを選ぶ…… 急速に進むデジタル学習に高まる現場と保護者の不安」

 

◆学校、分かるまで教えるからアプリ提供の場に‥‥
 小学校のベテラン教諭(51)は「分かるまで先生が教えてくれる場所だった学校が、アプリや動画教材を提供する場に変わってしまう」と危機感を抱く。
 今の子どもは、インターネット上の他人の文章を切り取る「コピペ」や、アプリで資料をきれいに仕上げる術すべにはたけている。


 「でも、そこに自分の思考が積み重なっているように見えない。鉛筆で文字をしっかり書けない子どももおり、自ら文章や意見を紡ぎ出せないと感じる」
 別の小学校の教諭(58)によると、授業中に学習用端末でゲームや動画に興じる児童がいる。注意されると興奮して机を蹴り、いすを投げ付ける例もあった。

 

◆答えを選ぶだけのAIドリル 保護者「紙の方が良かった」
 不安の声は家庭からも。さいたま市の島田香織(48)=仮名=は、人工知能(AI)を搭載した「AIドリル」に不信を抱く。算数などの反復練習用ソフトで、小学4年の長男が宿題で与えられている。
 紙の算数ドリルなら、計算の経過を鉛筆で余白にメモしながら解き進む。香織が後から見れば、間違えた原因が分かった。
 だが、AIドリルは計算の経過を記すことができない。解答を選択肢から選ぶだけの問題も多い。
 香織は「長男が考えずに適当に答えを選んでいる」と懸念。「学力が付くとは思えない。紙のドリルの方が良かった」と嘆く。


◆「なぜそうなるか」突き詰める学びが本来の目的だ
 聖心女子大学教授の益川弘如ひろゆき(47)=学習科学=は「AIドリルは学びを機械に任せてしまうため、学力の低い層ほど途中で投げ出す傾向がある」と批判する。


 「目指すべきICT教育は、紙をデジタルに置き換えることではない。子どもが主体的に調べ、多くの友達の意見と見比べる。その手段として1人1台の端末が有効であり、『なぜそうなるのか』と突き詰めて考える深い学びこそ、本来の目的だ」と指摘している。

 

 

タブレットを使った学習も今では当たり前になってきました。

デジタル学習が時代の要請なのかもしれません。

 

ただし、デジタル学習が従来の学習より「進歩的」かというとそうではないと私は思っています。

アナログ的な学習、いわば従来の学習は、鉛筆を使って試行錯誤をくりかえし、思考の痕跡を残す学習が可能でした。

デジタル学習では切り落とされてしまう経験と情報があまりにも多いです。

特に幼児から高校生まではノートと鉛筆を使った学習は継続して必要です。

手と頭を使って、粘り強く考える学習の経験は何ものにも代え難い貴重な経験です。

 

 

この記事のように、ネットを活用した、他者との意見交換や大量の情報を精査するような学びを深めるツールとしてデジタルを活用する方向に向かえば、アナログとデジタルの良い活用ができると思います。

 

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